この記事では、FP2級試験に合格するための勉強時間はどの程度必要なのか。合わせて時間配分など勉強時間の内訳についてお伝えしていきます。
FP2級とFP3級の難易度を比較すると、FP2級の方が難易度が高いのは間違いないところで、FP2級試験に合格するための勉強時間も必然的に多くなります。
ただ、FP3級試験に合格するための勉強時間はかなり幅が広いのに対して、FP2級試験に合格するための勉強時間は長くなるのは確かでもばらつきは少なくなります。
その理由ははっきりとしていて、FP3級試験は誰でも受検できるのに対して、FP2級試験は一定要件に該当しないと受検することができないためです。
FP2級試験は、ある程度のレベルに達した人だけが受けられる試験なので、難易度は高いとしても、FP2級試験に合格するための勉強時間はある範囲に集約できるという特徴があります。
私はファイナンシャルプランナーとして、FP2級試験やFP3級試験の受検対策講座の講師を務めていたことがあります。
これから書く内容は、統計を取ったものではなく、私の経験に基づいて推計した数字であることをご了承ください。
目次
FP2級試験に合格するための勉強時間と時間配分
FP2級試験に合格するために必要な勉強時間
講師をしていると、FP2級試験に合格するために必要な勉強時間についての質問が多く寄せられます。
受講している方は、時間を切り詰めて勉強をしていることも多いだけに切実ですが、講師の立場からすると答えが難しい質問です。
FP3級試験を受ける方より、ある程度のレベルに達している方が多いのは事実ですが、それでも一人一人の能力、気力、体力、そして置かれている環境は異なります。
したがって、FP2級試験合格のための勉強時間も一様ではありません。
ただ、わからないでは答えになりません。
そこで、私はFP2級合格のための勉強時間は、一般的には300時間から400時間が必要と答えるようにしています。
また、さらに絞ってお答えをする場合は360時間とお答えをすることもあります。
各課目ごとの時間配分
では、FP2級試験合格のための勉強時間を360時間として、各課目ごとの勉強時間を考えていきます。
FP2級の試験は6課目で実施されます。したがって、合計の勉強時間を360時間とすると、1課目当り60時間の配分になります。
各課目ごとの時間配分は、このあたりが一つの目安になると思われます。
もちろん、6課目の中で知識や経験を有する課目がある場合は、合計360時間以下でも対応できます。
一方、受検資格は満たしていても、ほとんど経験がないという場合は360時間にさらなる上乗せが必要になります。
インプットとアウトプットの時間配分
FP2級試験で重視したいのがインプットとアウトプットの時間配分です。
インプットは知識を習得する時間、アウトプットは得た知識を過去問題などで試す時間のことです。
FP2級試験は問われる知識の幅が広いのが特徴です。細かな部分までもしっかりと理解しようとすると、恐らく時間はかなり不足すると思われます。
そこで、各課目で基本的な事項や重要な事項を確認したら、過去問等でその時点での実力を測ることが大切です。
また、FP2級試験は問題文そのものは各回で異なっているとはいえ、出題傾向には一定の傾向があるという特徴があります。
アウトプットの時間を作り過去問等を繰り返し説くことで出題傾向がわかるとともに、インプットだけでは得られない実力が自然と得られます。
インプットであまりにも細かなところまで踏み込むよりも、ある程度インプットができたらインプットとアウトプットを交互に行うことが実力向上には一番有効です。
インプットとアウトプットの配分は人それぞれですが、FP2級試験ではよりアウトプットが重視されます。
基本的にはインプット3分の2、アウトプット3分の1の割合。既に知識がある方はインプット2分の1、アウトプット2分の1程度でも良いと思われます。
例 1課目当りの勉強時間を60時間とした場合
インプット | 40時間 |
---|---|
アウトプット | 20時間 |
※ 通学講座や通信講座の講義時間はインプットの時間に含みます。したがって、1課目の講義時間が20時間の場合、インプットとしての復習時間20時間、アウトプット20時間の合計で60時間になります。
まとめ その他の留意事項
この記事では、FP2級試験に合格するための勉強期間と時間配分を、私自身の経験に基づいてお伝えをしてきました。
最後にその他の留意点について、いくつかご紹介をさせていただきます。
FP2級試験合格のための勉強期間を設定する
FP2級試験合格のための勉強時間が決まったら、次に勉強期間を設定します。
FP2級合格のための勉強時間を360時間(1課目当たり60時間)とした場合、1ヶ月当たりで勉強できる時間から勉強する期間を決定します。
たとえば、1ヶ月90時間(1日平均3時間)の勉強時間が確保できる方の勉強期間は4ヶ月。
1ヵ月60時間(1日平均2時間)の勉強時間が精一杯という方の勉強期間は6ヶ月必要ということになります。
勉強時間が十分に取れない場合の方法
仕事をしていて忙しい人はなかなか勉強時間を確保することは難しいと思います。
どうしても勉強時間が満足にとれない、あるいは試験日までの期間が短いという人はどうしたら良いでしょうか。
FP2級試験は国家検定なので、簡単に合格できるものではなく、運だけで合格できるものでもありません。
この場合のテクニックとしては、学科試験と実技試験のうち、少なくとも学科試験の合格を目指すという方法があります。
FP2級試験は、学科試験、実技試験の双方に合格することが要件です。ただ、FP2級試験はどちらかに合格していれば、その合格した試験は一定期間は有効という特徴があります。
たとえば学科試験に合格すれば、有効期間中に実技試験に合格すれば良いということになります。
一般的に実技試験よりも学科試験の方が難易度が低いので、まずは学科試験の合格を目指し、次回に実技試験の合格を目指すことが、FP試験合格のテクニックとしてよく用いられています。
次回と言っても、FP2級試験は年3回ありますので、4ヶ月後には次の試験が受けられることになります。
一遍に、学科試験と実技試験の両方に合格することは案外と難しいものです。もし、時間的に余裕がない方は、是非、ご一考ください。
試験機関を選ぶ
FP2級試験は、金融財政事情研究会と日本FP協会の2つの機関があり、どちらで受検しても良いことになっています。
FP2級試験は学科試験と実技試験の2つがありますが、学科試験は同一の問題が出題されます。
しかし、実技試験は金融財政事情研究会と日本FP協会では、問題が異なるだけでなく問題の量も異なります。
また、金融財政事情研究会は国家検定であるFP2級試験を実施し、合格者には2級ファイナンシャルプランニング技能士(2級FP技能士)の称号が与えられます。
日本FP協会は2級FP技能士に加えて、AFP資格を独自に認定する機関です。
受検する段階の違いとしては、2級ファイナンシャルプランニング技能士は独学でも取得できるのに対して、AFP資格は日本FP協会が認定する機関でAFP認定研修を受講しなければなりません。
2級ファイナンシャルプランニング技能士を取得したのちに、AFP認定研修を受けることも可能ですが、資格の学校によっては最初から2級FP技能士とAFPをセットにして講座を開設しているところもあります。
独学で2級FP技能士になりたい、2級FP技能士だけを目指したいという方は、実技試験の違いにだけ着目して試験機関を選ぶのが得策です。
一方、通学講座や通信講座を受講したい、AFP資格も取得したいという方は、2級FP技能士とAFPをセットにした講座を選ぶのが得策ですし、その講座では実技試験の選択方法も案内している場合が多いと思います。
まとめ
FP2級試験に合格するためには最初から様々なことを決めて、効率的に勉強を進めていくのが得策です。
そのためには
1 FP2級試験に合格するための勉強時間を決める。
2 FP2級試験に合格するための勉強期間を決める。
3 FP2級だけを目指すのか、AFPも目指すのか決める。
4 独学で勉強をするのか、通学OR通信講座で勉強するのか決める。
5 金融財政事情研究会と日本FP協会の何れで受検するのかを決める(実技試験を選択する)。
1と2はどの資格試験であっても共通する事柄です。3~5はFP独特の選択ポイントになります。
FP資格は他の資格よりも複雑な面があるので、勉強時間を含めて最初の段階でいろいろなことをお決めになっておくことをおすすめします。