「貯蓄から投資へ」の言葉が生まれたのは2001年の頃。
今では、iDeCoやNISAなど投資を促す仕組みが登場し、投資でお金を増やす選択肢も増えています。
ところで投資でお金を増やすとき、まず考えるのは「いくら」投資できるのかということではないでしょうか。
いろいろな仕組みがあっても、まずは投資に回せるお金がなければ話は先に進みません。
この記事ではお手元にあるお金のうち、どの部分を投資に回せるのかについてお伝えしていきます。
言い換えると、投資してお金を増やす最初の一歩は、お手元にあるお金の分類からスタートするようです。
目次
お金を4つに分類する
このサイトは「50歳台で考える老後のお金」をテーマにしています。
老後のお金の準備は50代で始めても間に合いますが、老後の期間が長くなっていること、公的年金が給付抑制されていることを考えると、用意しておきたい金額は以前よりも増えています。
また低金利の時代が長く続いていることもあり、預貯金だけでお金を貯めることは難しくなっています。
50代の方が老後資金を準備していくためには、投資でお金を増やすことも考えなければいけない時期が来ています。
もっとも投資に回すお金はむやみに決めるものではなく、できれば合理的な方法で決めていきたいものです。
そこで、出てくる作業がお金を性格別に分類することで、具体的にお金は次の4つに分類することができます。
1 生活資金
2 緊急資金
3 使用が予定されている資金
4 余裕資金
1 生活資金
生活資金は、日々の生活に要するお金です。
代表例としては光熱水費があげられますが、考え方としては毎月あるいは毎年必ず支払わなければいけないお金が生活資金になります。
2 緊急資金
緊急資金は不意の出費に備えるお金です。
不意の出費なので支出先を限定することは難しいですが、最低でも生活費の3か月程度は用意しておきたいと言われています。
3 使用が予定されている資金
代表例としては、住宅購入や子供の教育費用があげられます。数年以内に使うことが予定されている資金が該当します。
使用が予定されている資金は数年以内に必ず用意しておきたいお金。基本的には安全確実に準備するお金になります。
4 余裕資金
1~3以外のお金が余裕資金です。
全部のお金から1~3を差し引いたのが余裕資金で、数年以内に使う予定のないお金が該当します。
余裕資金については、投資でお金を増やしていきたいところです。
余裕資金で投資を行う
4つに分類した資金の中で、余裕資金は投資をしてお金を増やすことが可能です。
特に50代の方は、投資でお金を増やし老後資金に作ることを考えたいところです。
投資の具体的なものとしては、株式・債券・外貨・投資信託などさまざまにあります。
また仕組みとしては、この記事の最初でご紹介したiDeCoやNISAなどがあります。
ただ50代の方が老後資金を作ることを考える上では、別に考えておきたいポイントもあります。
投資商品は預貯金よりも、大きなリターンを期待することができますが、一方ではリスクも伴います。
昔から言われていますが「ハイリスク・ハイリターン」は今でも変わらない投資の鉄則です。
では、老後資金はどうでしょうか。
他の性格のお金とは異なり、余裕資金は多少の冒険は可能かもしれません。ただ、老後資金は将来必ず必要になるお金です。
やはり、失うことには臆病になっておきたいお金です。
人によってリスクに対する感覚(リスク許容度)は異なるものの、老後資金は必ず必要になるお金であることを前提に投資を考えるのがおすすめです。
投資してお金を増やす(事例紹介)
では、余裕資金を見つけ、さらにどのように運用すれば良いのか。
50代の方を念頭において一例をご紹介します。
1 今ある手持ち資金を分類する
仮に手元にあるお金が、現金と預貯金で300万円あったとします。
まず、ここから緊急資金・使用が予定されている資金を抜き出してみます。
緊急資金 | 75万円(生活費3か月分) |
---|---|
住宅ローン・固定資産税 | 100万円 |
子どもの授業料 | 60万円 |
300万円から上記の合計235万円を差し引くと65万円になります。この65万円が余裕資金になります。
投資でお金を増やすポイント(手持ち資金)の場合
投資をするときは、長期投資・分散投資・積立投資を心がけたい言われています。
手持ち資金から生まれる余裕資金は、ある程度、まとまったお金になることもあります。そこで心がけたいのが、長期投資と分散投資です。
たとえば50代の方が老後資金を準備する場合、長期投資は十分可能な状態にあります。
ただし、まとまったお金を単一の金融商品に投資してしまうと、必然的にリターンもリスクも一つの商品に依存することになります。
まとまったお金を投資して増やすのであれば、長期投資だけでなく、そのお金を性格が異なるいくつかの金融商品に分散して投資するのがおすすめと言えそうです。
2 毎月の収入を分類する
仮に毎月の収入が30万円あったとします。ここから生活資金を抜き出したいと思います。
生活資金 | 25万円 |
---|
残りの5万円が余裕資金になります。
投資でお金を増やすポイント(毎月の収入)の場合
投資をするときには、長期投資・分散投資・積立投資が望ましいと言われています。
手持ち資金から生まれた余裕資金で心がけたいのが長期投資と分散投資とご紹介しましたが、毎月の収入から生まれる余裕資金は、さらに積立投資も心がけたいところです。
月によっては5万円の余裕資金が生まれないこともあります。そのことは仕方ないとしても、継続して投資を続けていくことはとても大切です。
毎月生まれる余裕資金は、その都度の金額は少なくても、長期投資・分散投資・積立投資ができるのが何よりの特長です。
まとめ
長期投資 | 分散投資 | 積立投資 | |
手持ち資金から生まれる余裕資金 | 〇 | 〇 | |
毎月の収入から生まれる余裕資金 | 〇 | 〇 | 〇 |
さいごに
この記事では「投資でお金を増やす」をテーマに、余裕資金を投資に振り向けることをおすすめしてきました。
また、お金を「手持ち資金」と「毎月の収入」に分けて余裕資金を見つける方法。
それぞれの余裕資金に対して、長期投資・分散投資・積立投資など心がけたいことをお伝えしてきました。
何よりも大切なのは、老後資金を準備するのには長い時間が必要ということです。長期投資を軸として、さらに分散投資や積立投資を検討なさってください。