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確定拠出年金(iDeCo含む) PR

iDeCo【イデコ・確定拠出年金個人型】のデメリットとは!

確定拠出年金のイメージ
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確定拠出年金には、企業で加入する確定拠出年金企業型と、個人が加入する確定拠出年金個人型の2種類があります。

この中で確定拠出年金個人型には、iDeCo(イデコ)という愛称がつけられています。

ところで確定拠出年金はメリットが多い制度ですが、少しばかりデメリットもあります。

確定拠出年金のデメリット

1 途中で解約することはできない

2 定められた年齢まで受け取ることができない

3 自分で運用する商品を選ばなければならない

4 老後に受け取る年金額が確定しない

確定拠出年金全般の主なデメリットは上記のとおりで、詳しくは別の記事でご紹介をしています。

この記事では、確定拠出年金個人型【iDeCo(イデコ)】のデメリットについてお伝えをしていきます。

質問する人
質問する人
確定拠出年金全般だけでなく、iDeCo(イデコ)特有のデメリットもあるんですね。
答える人
答える人
確定拠出年金は長く付き合う制度なのでデメリットも知っておきたいところです。

iDeCo(イデコ)とは

確定拠出年金個人型が始まったのは平成14年1月です。(企業型は平成13年10月から始まっています。)

しかし当初加入ができたのは国民年金第1号被保険者のみだったため、加入者は低位で推移してきました。

制度が大幅に拡充されたのは平成29年1月で、この時点で確定拠出年金個人型にiDeCo(イデコ)という愛称がつけられています。

まずは制度拡充後のiDeCo(イデコ)の加入種別と、掛金上限額(月額)をお伝えしていきます。

国民年金の種別掛金上限額(月額)
第1号被保険者(自営業等)68,000円
第3号被保険者(専業主婦・主夫)23,000円
第2号被保険者(公務員)12,000円
第2号被保険者(会社員1)23,000円
第2号被保険者(会社員2)20,000円
第2号被保険者(会社員3)12,000円

会社員1~会社員3の説明

会社員1企業年金(確定拠出年金企業型・確定給付企業年金)に加入をしていない。
会社員2確定拠出年金企業型に加入をしている。
会社員3確定給付企業年金に加入をしている、または確定拠出年金企業型と確定給付企業年金に加入をしている。

確定拠出年金企業型もiDeCo(イデコ)も、確定拠出年金という制度の中で運営をされているので共通のデメリットが存在します。

この記事では、さらにiDeCo(イデコ)特有のデメリットについてご紹介をしていきます。

特にデメリットを意識しておきたいのが、上記の表のうち第1号被保険者(自営業等)と第3号被保険者(専業主婦・主夫)です。

iDeCo(イデコ)のデメリット 第1号被保険者

自営業者の方などが加入する国民年金は、国民年金保険料を納付することで65歳から老齢基礎年金が支給をされます。

老齢基礎年金は終身で支給されますし、老齢基礎年金の金額のうち2分の1は国庫負担で賄われているので、民間の個人年金などと比較しても有利であることは間違いありません。

ただし老齢基礎年金の満額は年額で約80万円。

しかも、この金額を受け取れるのは20歳から60歳になるまでの40年間、すべて国民年金保険料を納付した方に限られます。

現在は10年の納付済み期間等があれば老齢基礎年金を受けることはできるものの、満額の80万円ではなく支払った期間に応じて調整をされます。

老齢基礎年金は65歳から終身で受け取ることができるものの、最大でも年額80万円ですし、実際にこの金額を受け取れる人はそれほど多くはありません。

そんな背景もあり、確定拠出年金が始まったときから確定拠出年金個人型への加入が可能となっていて、月額掛金の上限も68,000円と高額に設定をされています。

では、第1号被保険者のiDeCo(イデコ)のデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

デメリット1 国民年金保険料を納付していなければならない

自営業者の方などにとってiDeCo(イデコ)は老齢基礎年金の上乗せの制度です。上乗せという位置づけなので、その前提として国民年金保険料を支払う必要があります。

ただ国民年金保険料は所得に関わらず定額で、所得が低い時などは支払いが厳しくなります。

そのため、国民年金には免除や猶予の制度がありますが、免除や猶予を受けるということは国民年金保険料を全額支払っていないことになるので、上乗せであるiDeCo(イデコ)の掛金を納付することができなくなります。

国民年金第2号被保険者や第3号被保険者に未納ということはありません。自ら国民年金保険料を支払う第1号被保険者にのみ発生する可能性があるリスクになります。

デメリット2 上乗せには制限がある

自営業者の方などが受けられる公的年金は老齢基礎年金だけなので、複数の上乗せ制度が認められています。

代表的としてあげられるのが、iDeCo(イデコ)と国民年金基金です。

iDeCo(イデコ)は、掛金(拠出額)は決まっているが、将来の受取額は運用次第という「確定拠出型」。

国民年金基金は、将来の受取額を見込んだうえで、そこから掛金を決める「確定給付型」。

掛金の上限はiDeCo(イデコ)は月額68,000円、国民年金基金も月額68,000円です。

ここでの問題は、iDeCo(イデコ)と国民年金基金は併用(両方に加入)することはできるものの、掛金の上限は両方を足して月額68,000円になっていることです。

会社員であれば老齢基礎年金だけでなく、老齢厚生年金を受け取ることができます。また、老齢基礎年金も老齢厚生年金も一定年齢から終身で受け取ることができます。

自営業者の方は老齢基礎年金だけなので、上乗せ制度の掛金が高めに設定されているものの、金額的には会社員の方が受け取る老齢厚生年金に及ばない可能性が高いと思われます。

また、老齢厚生年金を受け取るためには厚生年金保険料を支払う必要がありますが「労使折半」。自らが全額を支払わなければならない自営業者の方は、この点でも不利と言えそうです。

さらに、iDeCo(イデコ)と国民年金基金を併用して月額136,000円支払えるわけではなく、両方を足して月額68,000円。

もちろん月額136,000円の掛金を支払える方は決して多くはないと思いますが、iDeCo(イデコ)と国民年金基金を併用しても月額68,000円に抑えられている。

老齢基礎年金の上乗せをしても、会社員の方には及ばない可能性が高い。しかも、その上乗せにも制限があるのは、iDeCo(イデコ)のデメリットと言えそうです。

iDeCo(イデコ)のデメリット 第3号被保険者

第2号被保険者に扶養をされている、20歳以上60歳未満の配偶者が第3号被保険者です。

第3号被保険者は自ら国民年金保険料を納めていなくても納付したことになるので未納が発生しないという特徴があります。

一方、第3号被保険者は老齢基礎年金を受け取る前提としてある、国民年金保険料を納付していないということで、長らく上乗せの制度も認められていませんでした。

確定拠出年金個人型の加入対象が広がりiDeCo(イデコ)という愛称ができたときから第3号被保険者もiDeCo(イデコ)に加入できるようにはなりましたが、ここでいくつかのデメリットも発生しています。

デメリット1 掛金が少額である

第3号被保険者の掛金上限は月額23,000円です。

国民年金保険料を自らが納付していないので仕方ないのかもしれませんが「自分年金」を作るための掛金としては少額です。

第3号被保険者が受けられるのは老齢基礎年金。老齢基礎年金とiDeCo(イデコ)から生まれる老齢給付金を足しても、それほど高額にはなりません。

また、老齢基礎年金は終身であるのに対して、iDeCo(イデコ)は自分で運用して作った個人別管理資産がなくなればそこで給付も終了します。

第3号被保険者の方もiDeCo(イデコ)に加入できるようになったのは朗報ですが、掛金が少額で老齢給付金も多くは見込めない。

そうすると第3号被保険者の方は、さらに別の方法で「自分年金」を作る必要がでてきそうです。

デメリット2 税制の優遇措置に制約がある

確定拠出年金は税制の優遇措置が多い制度です。具体的には、掛金拠出時・運用時・受取時に税制の優遇措置があります。

第3号被保険者の方がiDeCo(イデコ)に加入した場合、3つのうち運用時と受取時は税制の優遇措置は同じように受けられます。

ただし、掛金拠出時については注意が必要です。

まず、第3号被保険者は第2号被保険者に扶養をされている配偶者です。年金や健康保険の扶養になるためには、収入が一定以下であることが要件です。

もう一つあるのが所得税や住民税の扶養で、こちらは所得が一定以下であることが要件です。

社会保険の扶養は収入、税制の扶養は所得。見る部分も基準も異なりますが、多くの方が両方の扶養に入れるように働き方を調整します。

つまりイコールではないものの、第3号被保険者の方のほとんどが税制においても扶養の範囲内に収まっています。

したがって、第3号被保険者の多くは自らは確定申告等していないということになります。

ところで、iDeCo(イデコ)の掛金は全額が「小規模企業等掛金控除」として、所得税・住民税における控除として認められています。

ただ「小規模企業等掛金控除」は自らの所得からしか控除できないという特徴があります。

第3号被保険者の多くは確定申告をしていません。確定申告をしていないのであれば、「小規模企業等掛金控除」も使うことはできません。

少しわかりにくい表現となりましたが、第3号被保険者は掛金拠出時の税制の優遇措置が使えない可能性が高いといえそうです。

税制の優遇措置に対する魅力からiDeCo(イデコ)の加入を検討する方も多いとは思いますが、この点については注意が必要です。

なお、iDeCo(イデコ)の運営主体は金融機関などの「運営管理機関」です。

iDeCo(イデコ)に加入する場合の窓口は運営管理機関になりますので、特に第3号被保険者の方が加入を検討されるときは、税制についても必ずご質問になってください。

まとめ

確定拠出年金はメリットの多い制度ですが、デメリットも存在します。

別の記事では、確定拠出年金全般のデメリット。

この記事では、iDeCo(イデコ)特有のデメリットについてお伝えしてきました。

特に第1号被保険者と第3号被保険者の方は、確定拠出年金全般のデメリットだけでなく、iDeCo(イデコ)特有のデメリットに対しても注意が必要です。

なお、iDeCo(イデコ)は第2号被保険者の方も加入ができます。でも、この方々の公的年金は老齢基礎年金だけでなく老齢厚生年金もあります。

第2号被保険者の方のiDeCo(イデコ)の掛金額はそれほど高くはありませんが、公的年金そのものがある程度高いという特徴があります。

第2号被保険者の方は、確定拠出年金全般のデメリットはあっても、iDeCo(イデコ)特有のデメリットはあまり見受けられないということで、この記事では第1号被保険者と第3号被保険者の方のデメリットを中心にお伝えをしてきました。

何れにしても第1号被保険者と第3号被保険者の方は、iDeCo(イデコ)を含めて「自分年金」作りの検討が必要なようです。

質問する人
質問する人
iDeCo(イデコ)特有のデメリットがわかってよかったです。
答える人
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これからはiDeCo(イデコ)を含めて「自分年金」作りが必要になってきます。