この記事では「家計を見直して節約しよう」をテーマに、家計の見直しのポイントを具体的にお伝えしていきます。
ところで、このサイトは「50歳台で考える老後のお金」をテーマにしていますが、人生100年時代を迎え老後が長くなる反面、老後2000万円問題などで老後貧乏に不安を感じる人も多くなっています。
もちろん、多くの人がお金の面で老後を安心して過ごしたいとお考えになるはずですが、そのために挙げられるのが3つのポイントです。
1 老後の収入額を見積もる(年金や就労など)
2 老後の支出額を見積もる
3 老後を迎えるまでにお金を準備する
「1 老後の収入額」から「2 老後の支出額」を差し引いてマイナスになるようであれば、その金額こそ「老後を迎えるまでに準備しておきたいお金」になります。
さて、「老後を迎えるまでに準備しておきたいお金」を増やす方法としては、収入を増やすと支出を減らすの2つがあります。
しかし現実問題として「収入を増やす」のは、多くの人にとって難しいはずです。
一方、「支出を減らす」のは収入を増やすよりは、少しばかりアプローチが容易であると思われます。
そこで、この記事では支出を減らす家計の見直しについて、お伝えをしていくことにしました。
特に50代の方は、時間は多少はあるとはいえ老後が視野に入ってくる世代です。
老後準備のため、50代の方は家計の見直しをして、1円でも多くのお金を作っておいてください。
目次
家計の見直しのステップ
老後のお金の準備のため家計の見直しをする場合、考えるステップは次の3つです。
第1ステップ | 老後を迎えるまでに用意しておきたいお金を見積もる |
---|---|
第2ステップ | 老後を迎えるまでの期間を考える |
第3ステップ | 1年あたりで貯蓄する金額を考える |
第1ステップと第2ステッの結果として、1年あたりで貯蓄する金額が見えてきます。この金額が不足するようであれば、家計の見直しが必要になってきます。
なお、第1ステップと第2ステップについては、次の記事もご参考になさってください。
家計を見直して節約しよう
1年あたりで貯蓄する金額がわかり不足するようであれば、1年当りでどの程度節約すべきか、家計の見直しの具体化ができるようになります。
また、1年あたりで節約するべき金額が見えてきたら、次に何をどの程度節約するのかということを考えることができます。
それでは、まずは節約すべき項目をご紹介します。
食費
光熱水道費
住居費
通信費・交通費
教育費
保険料
交際費
教養娯楽費
その他
各項目の見直しポイント
それでは、上記の「その他」以外の項目について節約のポイントをご紹介していきます。
家計の見直し項目1 食費
生活をしていくうえで食費は必要不可欠な費用です。したがって、食費を大きく節約するのは難しいかもしれません。
ただ1日100円の節約だったらどうでしょうか。1日100円は1か月3,000円、1か月3,000円は1年36,000円、1年36,000円は10年で36万円になります。
老後のお金を考える上での36万円は決して大きな金額ではありません。でも、1日100円を節約する生活が習慣になれば、老後の食費の支出も抑制することができます。
食費の節約のポイントは、月に数千円で良いので節約する習慣を身につけておくことです。
1日平均100円の節約なら、月の外食を1回減らす、安いスーパーを探す、購入する食材を考える。
いろいろな方法が考えられますし、無理のない範囲でできるのではないでしょうか。
家計の見直し項目2 光熱水道費
生活をしていくうえで、光熱水道費は食費とともに必要不可欠な費用です。大きく節約するのも食費と同じように難しいかもしれません。
また、食費は購入の段階で節約ができますが、水道光熱費は意識しないで使うことも多いので、さらに節約が難しいこともあります。
水道光熱費の節約のポイントは、何よりも無駄遣いをチェックすることです。
テレビや照明のつけっぱなしを意識することで電気代の節約は可能ですし、同じように水道やガスの節約もできます。
光熱水道費の節約は食費よりも難しいかもしれませんが、これこそ「ちりも積もれば山になる」の典型ですし、節約の習慣は老後も続けることができます。
食費の節約と合わせて、水道光熱費の節約にもチャレンジしてください。
家計の見直し項目3 住居費
住居については、賃貸と持ち家の別があります。賃貸の場合、住居費の節約は難しいかもしれません。
住居費の節約は、持ち家で住宅ローンがある方が対象です。
住宅ローンの節約は、住宅ローンの借り換えや、住宅ローンの繰り上げ返済があります。
住宅ローンの節約については、持ち家の方が対象なので該当する方が少なくなります。
また、住宅ローンの借り換えや住宅ローンの繰り上げ返済が必ずしも有利に働くわけでもありません。
しかし、住宅ローンは大きな節約が見込める項目です。
該当する方は、できるだけ早い時期に検討し、効果があるようであれば実行に移すことがお勧めです。
家計の見直し項目4 通信費・交通費
この10年~20年で大きく増えた費用が、通信費の中の携帯電話代です。
携帯電話は急激に進歩したので、その都度、買い替えをする人が多いのも特徴ですが、それに伴い費用も嵩んでいます。
ただ、今ではある程度は落ち着きを見せていますので、ここは節約を考えたいところです。
たとえば、プランの見直し・サービスの方法など今はさまざまな見直しが可能で、月当たり数千円の節約が可能な場合もあります。
また、交通費とは具体的には車に要する費用です。
車は乗らなくても相応の費用が掛かります。ほとんど乗らなくても1年を通してみると、そこそこの固定費がかかるのが車です。
車を所有していても、車に乗る機会があまりないという方は、カーシェアリングも普及している現在、車を処分するというのも一つの方法です。
車を処分しても、そこからの利益はあまり期待できない場合もあります。しかし、車を処分することで税金・駐車場代・ガソリン代など不要になるお金が生まれます。
その方の置かれた状況で異なるものの、通信費や交通費の節約は大きなお金を生み出す可能性があります。
家計の見直し項目5 教育費
50代の方にとって、教育費は既に終わった、あるいは教育費の目途がついている方も多く、あまり重要な課題ではないかもしれません。
ただ、またまだ教育費が必要という場合、教育費節約の可能性として挙げられるのは奨学金の利用です。
もっとも奨学金の多くは将来の返済が必要なので、その部分を含めての検討が必要です。
お子様のことを考える上で、教育費以上にポイントになりそうなのが国民年金です。
国民年金は20歳以上が強制加入なので、学生であっても納付義務が発生します。しかし国民年金は所得にかかわらず定額で、1年の国民年金保険料は約20万円になります。
国民年金保険料の支払いが厳しいときは、学生納付特例や50歳未満の方を対象にした納付猶予制度があります。
この2つの納付猶予の制度は将来の老齢年金の額には反映されないものの、未納とは異なるので、万が一の時の障害年金などには有益です。
20歳以上のお子様がいる親にとってみれば、子の国民年金保険料を支払うのが良いことだとしても1年で20万円の負担になります。
この負担が厳しいときは、むしろ積極的に猶予制度を使うのも一つの方法ですし、相当程度の節約をすることができます。
お子様がいる50代の方にとっては、教育費よりも国民年金保険料の節約のほうがむしろ大切なポイントになるかもしれません。
家計の見直し項目6 保険料
50代の方にとって保険料、とりわけ生命保険料の見直しは2つの点で重要です。
2つの見直しとは、必要な保険だけに加入すること、そして適正な金額の保険料を支払うことです。
必要な保険に加入することとは、たとえば30代の方が加入する保険と、50代の方が入るべき保険は異なります。
30代の会社員の男性で、妻が専業主婦・お子様が小さい場合に必要とされる保険は、定期保険などの死亡保険です。
この場合、働き手である男性に万が一のことがあった場合、公的年金から遺族給付がありますが、それだけで遺族の生活は成り立たないことが多いのが実際のところです。
こんなとき定期保険に加入をしていれば、少額の保険料で多額の保険金が得られます。
では、この方がお元気で50代を迎えたらどうでしょうか。
お子様の教育費の目途がついて、奥様も働いているのであれば、大きな死亡保障は必要なくなります。
一方、老後を迎える準備として医療保障や個人年金の必要度は高まっていることが多いと思います。
30代の方と50代の方とでは必要な保険は変わります。もしここで見直しをしなければ、不必要な保険に無駄な保険料を払っていることになります。
50代の方にとって生命保険料の見直しは、内容の見直しという点で重要です。さらに見直しで無駄な保険料の節約も可能になります。
生命保険の見直しは、もしかしたらトータルの保険料の節約にはつながらないかもしれません。
ただ不必要な死亡保険を見直して、個人年金に加入をすれば、老後の収入が増えるのは確かです。
死亡保険のすべてが無駄というわけではありませんが、生命保険の見直しは50代の方にとって大きなメリットを及ぼす可能性があります。
家計の見直し項目7 交際費
交際費は、人によって大きく異なる支出項目です。
親戚づきあいの多い人なら、冠婚葬祭費が多くなりがちです。友人が多い人なら、飲み会などの費用がかさむかもしれません。
案外と節約が難しいのが交際費です。
ただ、交際費の特徴として挙げられるのが、交際費は必ずしも毎月かかるものではないということです。
また、節約できればそれなりに支出を削減することができます。
交際費については年単位で考えることが大切です。まずは、過去1~3年程度にかかった交際費を抜き出してみてください。
そのうえで、必要なものと必要でないものを分けてください。仮に必要でない部分を見つけ出すことができれば、それが節約する対象になります。
交際費は節約が難しいかもしれませんが、節約できればある程度の金額を浮かすことができます。
交際費については無理のない範囲で、しかしご自身のルールをしっかりと決めて、一定範囲内に収めることが大切です。
家計の見直し項目8 教養娯楽費
教養娯楽費も交際費と同様、節約が難しい項目です。ただ教養娯楽費は、どんどんと支出が膨らんでしまう傾向があります。
たとえばDIYが好きな人は、そのための工具にどんどんとお金をかけてしまう傾向があるのではないでしょうか。
できれば、毎年、予算化をして上限を決めて支出をする。節約とは少し異なりますが、教養娯楽費は上限額を決めて楽しむことが望まれます。
まとめ
この記事では「家計を見直して節約しよう!50代は老後のために貯蓄を考えたい」をテーマに、節約すべき項目8つについてそれぞれのポイントをお伝えしてきました。
最後に8つの項目のポイントについて、簡単にまとめておきたいと思います。
食費 | 多くの人にとって節約が可能な支出。毎月の節約額は少ないものの長期間で効果を発揮する。習慣づければさらに効果が大きくなる。 |
---|---|
光熱水道費 | 多くの人にとって節約が可能な支出。毎月の節約額は少ないものの長期間で効果を発揮する。習慣づければさらに効果が大きくなる。 |
住居費 | 住宅ローンがある人は考えたい項目。借り換えや繰り上げ返済で大きな節約効果が見込める可能性あり。 |
通信費・交通費 | 通信費は、携帯電話代のプランの見直しなどがポイント。交通費については、カーシェアリングの利用も検討項目。 |
教育費 | 教育費については奨学金の利用が検討項目。合わせて国民年金の猶予制度の利用も検討したい。 |
保険料 | 生命保険の見直しの最大のポイントは「必要な保険に対し適正な金額の保険料を支払うこと」。金額的には節約できない可能性もあるが、まずは必要な保険の見直しを行うことが、老後生活を安心して送るために何よりも大切。 |
交際費 | 交際費は無理のない範囲で、ルールをしっかりと決めて一定範囲内に収めることが大切。 |
教養娯楽費 | 教養娯楽費は毎年の上限額を決めてその範囲内で楽しむことが節約につながる。 |
50代の方は、老後の準備のための貯蓄を考えることはとても大切で、そのための有益な手段が家計の見直しです。
また家計の見直しの具体的な手段が節約です。
この記事では、項目をあげて節約のポイントをご紹介してきました。
確かに、老後のお金の準備のための節約は大切です。でも、もう一つ大切なことがあります。
それは、節約は無理の範囲で行うということです。あまりに無理をして今の生活にストレスを感じるのは決して好ましいことではありません。
このあたりのバランスのとり方は難しいかもしれませんが、今の生活にストレスを感じることなく、老後のお金の準備をする。
このバランス感覚も大切に、家計の見直しをお考えになってください。